2022年02月01日
運動と免疫機能
運動と免疫機能 D.L.ヴァーン
定期的かつ中程度の運動(以下「適度な運動」と言います。)は、風邪やインフルエンザに罹る確率を下げてくれるでしょうか?
マウスやヒトを用いたいくつかの研究によると、この質問に対する答えは、確固たる「イエス」だ!
ここにマウスの研究結果があります。(イリノイ大学ー2005年)
3つのグループのマウスを意図的にインフルエンザウィルスに感染させました。
グループ1:1日に20〜30分の運動(中程度) ⇨ 生存率82%
グループ2:じっとして動かない(運動なし) ⇨ 生存率43%
グループ3:1日に2時間半の運動(長期間) ⇨ 生存率30%
結論:適度な運動をしているマウスは、じっと動かないマウスよりもかなりの確率でインフルエンザウィルスの感染から生き延びることができる。しかし過度の運動は、逆に悪い影響を与える可能性がある。
ここで1つの疑問が生まれます。
マウスの「適度な運動」をどのようにヒトに当てはめれば良いのでしょうか?
―それは、多くの保健機関や政府によって推奨されている一日に30分間の有酸素運動が間違いなくマウスの「長期間の運動」に相当すると言えるでしょう。
ロサンゼルスマラソンのために練習している2,300人のランナーを調査すると、週に95キロ以上のトレーニングを行った人は、風邪をひく確率が高かった。
したがって、1日に平均して13~15キロのジョギングをすることは、免疫機能に与える運動の良い効果を無効にするのかもしれません。
もう1つの興味深いマウスの研究(アイオワ州立大学ー2009年)では、免疫機能に与える運動の良い効果は、一回の運動を行った直後に得られることが示されました。
今回は症状の深刻度とその長さ(罹病期間)を観察するために、再度3つのグループのマウスをインフルエンザウィルスに感染させました。
グループ1:適度な運動を14週間→ 最も軽症で、最も回復も速かった。
グループ2:じっとして動かない→ご想像通り。最も重症で、最も長い回復時間を要した。
グループ3:じっと動かないが、インフルエンザウィルスの接種を受ける15分前に、45分間ランニングマシンに乗った→症状は適度な運動をしたマウスほどではないが、著しく減少した。
1回の運動が与える免疫機能への良い効果に関するヒトでの調査は、現在進行中で近く発表される記事で明らかになるでしょう。
しかし現在においても、感染症への感染リスクが高まる状況(飛行機への搭乗、大会への参加など)に置かれる直前に運動を行うことには効果があることが根拠として示されています。
もしも次のフライトの予定がある人は、前日に30分間のジョギングや速歩を行ってみると良いでしょう。
サウスカロライナ大学では、500人以上の適度な運動をしている人たちを研究した結果、ほとんど運動しない人たちよりも風邪をひく確率が20%低いことが分かりました。
このCovid-19(新型コロナウィルス)によるパンデミックの間、日常の感染予防対策リストに「運動」を加えることが必要であり、それは重度の病気に感染するリスクを下げてくれる非常に有効な対策となることでしょう。
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