2020年05月21日
ペッサリー(骨盤臓器下垂で使う器具)
温かい日が続いたり、風のある涼しい日が続いたり、過ごしにくい日が続いています。
皆様、お元気でしょうか?
沖縄県は、やっとコロナが落ち着いてきた頃ですね。
あっという間にコロナの感染が拡大し、長い間自粛生活が続いておりました。
当外来は、西村看護師を東京からお迎えして行っている外来ですが、4月からは外来規模を縮小して、
富田だけでひっそりとおこなっています。
コンチネンス、気持ちの良い排泄は命に直結することは非常に少ない(ゼロではないです)ですが、
女性特有の骨盤臓器下垂によりペッサリーを使用している方は定期的に受診していただかないといけません。
電話再診で対応できる内容ではないですので、受診が必要な方には感染予防を徹底した上で来院していただいています。
(それでも、人と人とが接しますので完全に大丈夫とは断言できません。)
骨盤臓器下垂などに使用するペッサリーは下記のようなものがあります。
ウォーレスリング
これは、ポピュラーなペッサリーで、ペッサリーを使用している方は一度は使用した事がある人が殆どだと思います。
こちらはドーナツペッサリー
形がいかにもドーナツですよね。ウォーレスでは支えきれない子宮や膀胱を支えてくれます。
しかし、形が丸いだけにうまく握れない人が多いです。
こちらはキューブペッサリー
サイコロみたいな四角いペッサリーです。
私個人的には、これが一番いろんな臓器下垂に合うのだと思っておりますが、
挿入、抜去が大変難しく、どんなに適合しても使用に至るまでの人はごくわずかです。
紐みたいなのがついてますが、これは、位置合わせのものであり引っ張るものではありません。
使用している方で上手に抜去できている方がいましたら、是非話を伺ってみたいものです。
こちらはサポートペッサリー
写真の通り、従来のウォーレスペッサリーではあいてる中央がサポートされていますで、
ウォーレスでは落ちてしまう子宮をサポート部分でしっかり支えてくれます。
正しい使い方ではないかもしれませんが、ウォーレスでは支えきれない膀胱も縦にはめる方法でサポートしてくれる場合もあります。
扱いもウォーレスペッサリーとさほど変わらないので、切り替える時にはあまり問題なくかえられます。
ノブつきペッサリーです
ノブがついている部分が膀胱の方にきます。ノブがついている分、膀胱をしっかり支えるので、
膀胱下垂で尿失禁を発症している方には凄く喜ばれています。
しかし、ノブを膀胱の部分に当てないといけないのと、重度の膀胱下垂は支えきれないので期待して使用できない場合はがっかりされる方も多いです。
ゲルホーンペッサリー
当外来では、これが一番使用されています。
写真をひっくり返した状態で使用しますが、上部にしっかり支える広さがあるので、子宮下垂をしっかり支えてくれます。
これも、正しい使用法ではないのかもしれませんが、中央の棒が膀胱を支えてくれている気がしますので、膀胱下垂の方にも当院ではすすめています。
これだけのペッサリーがあり、機能もいろいろあるのにゲルホーンが一番使われている理由・・・
着脱が簡単だからです。もちろん、はじめから上手にできるわけではないのですが、握力が弱った方にでも
使い方や着脱方法をお伝えして自分で管理するとなると、ゲルホーンならなんとかできる方が多いのです。
いろんなペッサリーがありますが、ひとりひとりの症状と管理能力に合わせて選択していくためには
沢山のペッサリーが必要になってきます。
当院ではひとりひとりの状態に合わせて試すことができるフィッティングキットを用意してお待ちしています。
それがこれです
これを持って、沖縄県全域を旅したい、困っているいろんな人に試して欲しいと思っていますが、
これを持って旅をしたら変人扱いで捕まりそうなので、当外来のみで我慢します。(笑)
コロナウイルスが一日も早く終息し、元気な日常に戻りますように。
それまでは、よんなーよんなーやーぐまいして過ごしましょう。